相談者 : あばばばば/理系/高校2年生


2円が交わっていなくとも、2円の方程式の差をと
ると、直線の方程式が得られるが、この直線は何を意味
するのでしょうか。

最近疑問に思いちがますさんに質問したのですが、ちがますさんのaskでこの意味について答えてくれようという姿勢を感じず、ただk=-1としか言ってくれませんでした。

数学には何か意味があるはずだと思うのですが意味なんてないでしょと切り捨ててしまうのはよくないと思うのです。「東大数学への秘密兵器」という本には面白い話題だが受験には関係ないので割愛すると書かれていたため何か意味があるはずです。

わかる人がいらっしゃったら教えてください。
失礼いたしました。


相談ID:87

投稿日時:2015-01-11/21:18
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 名前 : Troper JOPメンバー


まず始めに、k=-1のkが何を意味するのか、説明をしていただかないと分かりません。数学では定義が命です。

それでは、本題に入ります。
確かに、単純に二つの円の式を連立させると、交点を持たなくとも形式的には必ず直線の式が出てきます。
交点を持たない以上は一見無意味な式に思われますが、代数的には形式的な計算であっても、幾何的にはどのような意味を持つのだろうかと疑問を持つのは自然なことですし、筋の良い考え方だと思います。
数学的な意味付けというのは恣意的なものです(ある式が意味を持つかどうかは見る人に依存します)から、「この式にはどのような意味があるのか」という疑問に対する答えは一通りではありませんので、自分で考えて、自分なりに納得のできる意味を見出すことが何より大切です。
とは言っても、考えた末の質問なのでしょうから、私なりの交点を持たない二円を連立させた直線の意味を書いておきます。

まず、方程式の差を取るという処理は、あるベクトルに対する射影を取ることに相当します。(細かいことはご自身で考えてみてください。)
ですから、2つの円の交点を通る直線が一本でてくるのです。(この場合は2つの円の中心を結ぶ直線に対する射影を考えています。)
2つの円は複素数まで考えると、必ず交点を持ちますね。ですから、実数上に交点を持たない場合は、複素数上で交点を持ち、その交点もまた導出された直線上に載っているのです。
円が交点を持たないとき、複素数まで考えると交点を持ち、このとき複素数上では双曲線となっています。(図を書いてみると簡単に確認できます。)
C1:(x-a)^2+(x-b)^2=r^2
C2:(x-c)^2+(x-d)^2=R^2
として、2つの式の差を取ると、右辺は
r^2-R^2となりますから、その差が重要なのであって、rとRの大きさそのものは直線の式に関わりません。
C1,C2それぞれの式に定数αを加えて、
C1:(x-a)^2+(x-b)^2=r^2+α
C2:(x-c)^2+(x-d)^2=R^2+α
としても直線の式はαに依存しません。
2つの円が接するときのαをβとすると、以下の3つの関係が成り立ちます。
①α>βで円は2つの交点を持つ
②α=βで円は接する
③α<βで円は交点を持たない(複素数上に2つの交点を持つ)

この説明で2つの円と直線の関係のイメージは沸いたでしょうか。

続いて、幾何学的な意味を考察しましょう。
実は、ここで題材にしている直線のことを根軸といいます。
根軸は幾何学的には、2つの円それぞれの接線の接点からの長さが等しくなるような点の集まりのことです。
実数上で交点を持つときは、方べきの定理より明らかです。
交点を持たないときは、三平方の定理を用いて簡単に証明することができますので、やってみてください。


投稿ID:168

投稿日時:2015-01-12/03:31

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 名前 : あばばばば


ありがとうございます。
こういう説明が聞きたくて悩んでいました。
そういう意味があるんですね。
半径の二乗の差だからαを足しても大丈夫って考えるところはなるほどなあって関心しました。
本当にありがとうございました!
わからない部分は数Ⅲまで勉強した後にもう一回見直したいと思います。


投稿ID:169

投稿日時:2015-01-12/15:46

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